ほっかいどう元気びと

日曜日 あさ9:30-9:50

2019年11月17日のゲスト

森下 智さん
「トムソーヤ合同会社」代表
森下智さん

旭川市出身 33歳。
北海学園大学 経営学部を卒業後、苫小牧の飲食関連の会社に就職。
2011年にモエレ沼公園で開催されたリアル脱出ゲームに参加したことがきっかけで、その面白さに魅了され自ら体験型ゲームを企画・開催するようになる。
その後会社を退職し、2013年に「トムソーヤ合同会社」を立ち上げ、代表に就任。公共施設、観光地などで「謎解き」を使った体験型ゲームイベントを手掛けている。

radikoのタイムフリーを使用すると、放送終了から1週間ほど番組を聴くことができます。

村井裕子のインタビュー後記

森下智さん “身のまわりのことを今よりも少し面白くする”・・・今回の『ほっかいどう元気びと』の収録を終えて、お話の要旨をぎゅっと凝縮するとそんな言葉に集約されるのではないか。ひとりひとりがそれぞれ関わる分野で“ちょっと面白く、もっと楽しく”の仕組みをプラスアルファしていけば世の中の“ニガムシ”はもう少し減っていくかもしれないなぁと思う。
 お話を伺ったのは、「トムソーヤ合同会社」代表の森下 智さん 33歳。体験型の“謎解き・宝探しゲーム”などの企画を通して楽しみ方を提供している人。最初はレンタルルームなどを会場に限定の催しとして行っていたものが、観光地などでの企画依頼も受けるようになって、結果、“地方の活性化をゲームで後押しする”取り組みにも変わってきているという。個人でスタートし、合同会社を立ち上げてからも、体験型ゲームの肝である“謎解き”の問題はほぼひとりで考えているという日々にどんな思いを込めているのかを訊いた。

 “謎解き・脱出ゲーム”といった体験・参加型の催しは首都圏からブームになって久しく、森下さん自身も2011年にモエレ沼公園で開催された「リアル脱出ゲーム」に参加して触発され、自分自身で手がけるようになったという。その面白さは、“プロセスの面白さ”、そして、“チームづくり”、“ひらめき体験”。参加してみると、「面白いに尽きる」という表現がぴったりくるのだそうだ。2013年に合同会社を立ち上げて企画・運営に携わってきたのは水族館などの公共施設やショッピングモール、ホテルやレストラン、観光地では天売島・焼尻島などの宝探しイベント、この10月には札幌市営地下鉄を舞台にした“謎解きゲーム”など多数あり、それぞれ依頼主の意向を汲みながら仕掛けを提案するとのこと。観光地やレジャー施設に“ちょっとした仕掛け”のゲーム性を加えることで、もっと行きたい、また行きたいと思ってもらえる仕組み作りだ。
 森下さんの言う“プロセスの面白さ”というのは、宝探しであれば、仕掛けられた“暗号”を解きながら先へ進み、“宝箱”まで辿り着くというワクワク感。その立ちはだかる幾つかの謎解き問題は、簡単すぎても難しすぎても面白くない。ポイントポイントでの難易度の工夫が企画者の腕の見せ所なのだそう。
 “チームづくり”というのは、家族や仲間で参加というゲームでは、チームで力を合わせることでいつもと違う面が見られたり、団結力が強まったりするという面白さ。中には全く知らない人同士でチームになるようなゲームもあり、その場合もひとつの目的に向かうことで無関係だった人同士がプロセスとともに仲良くなるという日常では味わえない体験も魅力なのだという。
 “ひらめき体験”というのは、もちろん“謎解き”の醍醐味。出題される“暗号”は、「知識ではなく、ひらめきや注意力で解いていくもの」。子供からお年寄りまで楽しめ、誰にでも“宝箱”に到達出来るチャンスがあるところが人気なのだそうだ。

森下智さん 収録後、「身のまわりの様々なことをさらに楽しくするために、ゲームの仕掛けは、今気づいていない分野にも応用が出来ると思う」と話す中身をさらに訊いていくと、遊びの分野だけではなく、例えば、企業の研修用にゲーム性を取り入れたアイディアを既に企画提供しているとのこと。“謎解き”などの仕掛けで進めることで楽しみながら企業理念を浸透させていったり、いつもの組織内のやり方とは違った方法によってコミュニケーションがスムーズに取れるようになったりすると森下さん。ゲームの仕掛けは遊び以外でも人の強みを引き出したり、場の空気を変えたりすることも大いにあり、何となく続けられている世の中の日常にさらなる面白さや楽しさを加えていきたいとこれからの可能性を語る。
 スタート当初は、限定の場所で限定の人達で行われていたというアナログ体験ゲーム。観光地や地方などの依頼に応えているうちに企画の視野が広がっていったとのことだが、そう考えると、あらゆる場がフィールド候補になれるに違いない。ちょっとした仕掛けによって変えられることは何だろうという視点で“今までにあるもの”を見つめ直してみると、案外、慣れ親しんだことや身近なことまでもワクワクしてくるのではと改めて思う。

 ふと、私自身を振り返ってみて、気づく。ゲームやレジャーとは全く無縁の日々だが、結構日常が面白い。有り難いことに、“仕事そのもの”が私にとっての“冒険・謎解き・宝探し”体験ゲームのようなもの。どこにも属さないフリーランスの身であるからして、物理的な時間にしても、広い道内で“身体を運ぶ”という距離移動にしても、積み重なる準備と本番にしても、その組み合わせをやりくりしていくアナログな日々が“脱出ゲーム”のようで、全く飽きない。ラジオの番組然り、各地の講座や催しの企画・運営然り。そのひとつひとつが、まさに、“プロセスの面白さ”、“チーム作り”、“ひらめき体験”そのものだ。
 特に、番組は独りでは完結しない。チームの力の結集のたまものであり、助けたり助けられたりが生み出す相乗効果が何よりの“宝もの”。インタビューの“プロセス”も全部違って全部面白い。収録中に“迷路”に入り込まないようにインタビューの“経路”を綿密にシミュレーションして臨むが、本番ならではの思わぬ“箱”が開く面白さが毎回違って、毎回ドキドキする。“人の話を訊く”という仕掛けで、人の心の中の思いが言葉になる面白さ、それに尽きるのだ。終了後は安堵感を味わいながらも、人が内側の深い所に持つ“宝もの”を次こそもっと拾えるインタビューをと気持ちを新たにする。「これでいい」と思ったらきっと何かが終わる。ゲームオーバー。その瞬間に、苦しいこととセットになって表れる“ひらめき”という恩恵も消え去って行ってしまうだろう。
 “身のまわりのことを今よりも少し面白くする”ために“ゲーム性”は大事と森下さんは言う。“仕事の準備が大変”と思うのではなく、“毎日が宝探しゲーム”と汗かくことを喜べる自分を自分でほめよう。・・・これから師走にかけては前倒しの収録やそれによって詰まる日程との追いかけっこが続くが、2019年を上手に“脱出”して、まっさらな2020年を迎えられるように、日々のなにげないひとつひとつを“面白がろう”と思う。

(インタビュー後記 村井裕子)

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パーソナリティ

村井裕子 フリーキャスター/声と言葉の自己表現「村井塾」主宰

HBCで18年間勤務の後、フリーとして活動。現在は放送や朗読表現活動の他、札幌や帯広など道内各地で「話し方」「朗読」講座を通し、声と言葉の自己表現による人の魅力作りにも尽力する。

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